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障害年金受給後に障害の程度が変わった場合

文責:所長 弁護士 羽藤英彰

最終更新日:2025年01月07日

1 更新手続と額改定請求

 障害年金の受給後に障害の程度が変わった場合、更新手続や額改定請求の制度によって、あらためて障害の程度の審査が行われ、もらえる年金額が変わることがあります。

 以下では、更新手続と額改定請求についてご説明します。

 

2 更新手続について

 障害年金で有期認定がなされると、1年から5年の期間ごとに審査がなされ、等級の見直しがなされます。

 年金証書に次回の診断書提出年月日が記載されており、その提出年月の末日の3か月以内の症状を記載した診断書を提出します。

 更新手続の結果、等級に変更がない場合もあれば、重い等級になったり、軽い等級に変わったり、支給停止になることもあります。

 重い等級になれば診断書の提出年月の翌月分から、軽い等級や支給停止になれば提出期限(誕生日月の月末)から4か月目の支給分から変更されます。

 

3 額改定請求について

 更新時よりも前に障害の程度が悪化した場合や、永久認定された後に障害の程度が悪化した場合、額改定請求により審査を求めることができます。

 額改定請求書に、診断書や年金証書その他の資料をつけて請求します。

 額改定請求の結果、等級が重くなれば、請求の翌月分から変更されます。

 診断書は請求前3か月以内の症状を記載したものとなります。

 なお、額改定請求は、一定の場合に利用できません。

 具体的には、以下の場合に利用できなくなります。

 ①障害年金を受ける権利が発生した日から1年を経過していない場合。

 ②障害の程度の診査を受けた日から1年を経過していない場合。

 ③65歳前に障害厚生年金3級を受給し、かつ、2級以上になったことがない方が、65歳を超えた場合。

 ただし、①②については、一定の場合には障害の程度が明らかに増進したと認められるとして、1年の待機期間が不要となります。

 

4 更新手続において額改定請求書も提出する方法について

 更新手続において障害の程度が悪化して重い等級を求める場合、額改定請求書も提出する方法があります。

 更新手続で額改定請求書を提出しない場合、重い等級への認定がなされないときに不服申し立てができませんが、額改定請求書を添付すれば不服申し立てができるというメリットがあるからです。

 ただし、額改定請求書も提出した場合には診査が行われたことになるため、更新手続で等級に変更がなかったとしても、原則どおり1年間は額改定請求ができないというデメリットがあります。

 

5 専門家にご相談ください

 更新手続も額改定請求も等級にかかわる重要な手続きです。

 適切な等級を獲得するためには、障害年金の手続き等に多く携わっている弁護士や社会保険労務士等に事前に相談することをおすすめします。

病名が2つ以上ある場合の障害年金

文責:所長 弁護士 羽藤英彰

最終更新日:2025年01月07日

1 複数の病名がある場合の障害年金の認定方法

 障害が2つ以上ある場合の障害認定の方法としては、

・併合(加重)認定

・総合認定

・差引認定

 という3つの認定方法が存在します。

 

2 併合(加重)認定について

⑴ 併合(加重)認定とは?

 併合(加重)認定では、

 (ステップ1)複数存在する障害を別々に評価する

 (ステップ2)ステップ1で評価した障害を合わせて等級を決定する

 という作業を行います。

⑵ ステップ1について

 ステップ1では、まず、「併合判定参考表」という表を用いて各障害について定められた番号を調べます。

 例えば、「右手の親指、人差し指、中指、薬指の用を廃し、かつ、両眼の視力が0.1になった」という事案を想定すると、「併合判定参考表」によれば、右手の親指、人差し指、中指、薬指の用廃で「7号」、両眼の視力が0.1になった点で「6号」という番号が定められています。

⑶ ステップ2について

 ステップ2では、「併合(加重)認定表」を参照し、各障害の併合番号を求め、障害認定します。

 例えば、上記の具体例では、「併合(加重)認定表」から「7号」と「6号」の併合番号を調べることになります。

 そうすると、「7号」と「6号」の併合番号は「4号」と定められていますので、「4号」の場合の障害等級である「2級」が認定されることになります。

 

3 総合認定について

 障害の内容が、

・内科的疾患が2つ以上ある場合、

・精神障害が2つ以上ある場合、

・傷病は2つ以上であるものの残っている障害が1つ(同一部位)である場合

 以上のいずれかである場合には、上記の「併合認定」の手法を用いず、障害の内容に応じて総合的な認定がなされることになります。

 総合認定による場合は、例えば、併合認定を行った場合は2級に留まるような障害であっても、1級が認定されることがあります。

 

4 差引認定について

 以前から存在した障害認定の対象とならない程度の障害(以下、「前発障害」と言います。)と同一の部位に新しく別の障害が加わった場合に、現在残っている障害の程度から前発障害の程度を差し引いて認定されます。

 この認定方法のことを、「差引認定」と言います。

 なお、差引認定は、「はじめて2級」に該当する請求の場合には適用されません。

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障害年金についてご相談ください

障害年金の申請をお考えの方は、まずは専門家にご相談いただくことをおすすめします。
もちろんご自身で申請手続きを行うことは可能ですが、提出書類が揃っているか、内容に不備がないかなどを確認しながら対応するのは簡単なことではありません。
障害年金は提出した書類によって審査されるため、もしその内容に不備があると、本来なら受け取れるはずの障害年金が不支給となってしまうおそれもあります。
そのようなことを防ぐためにも、障害年金の申請手続きを得意とする弁護士・社労士などの専門家に依頼し、適切なサポートを受けるのが安心かと思います。
例えば、障害年金の申請で提出する書類の中には、医師に作成してもらう診断書があります。
ご自身で作成するわけではないため、医師への症状の伝え方が適切でないと、実際の障害の状態と異なると誤解されるような記載のされ方をしてしまう可能性もあります。
専門家にご依頼いただくことで、どのように医師に症状を伝えるべきなのかということもアドバイスを受けることができます。
専門家のサポートを受けることでよりスムーズに手続き進めることができるかと思いますので、ご自身で手続きを行うことに不安がある方は、お気軽に私たちにご相談ください。
中には、専門家に相談する際の費用が気になる方もいらっしゃるかと思います。
私たちは、障害年金の申請をお考えの方がお気軽にご相談いただけるよう、ご依頼時の初期費用を原則無料とさせていただいております。
ご相談も原則として無料で行っておりますので、費用面が気になるという方も安心してご相談ください。
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